ブログと電子書籍

近い未来、多くのブロガーはアフィリエイト収入だけではなく、電子書籍の販売でも収入を得るようになる。そのため、多くの職業的書き手がオープンWebやソーシャルネットワークでデビューすることになるだろう。NOTEにまとめておきたい。

言わずもがな著名なアルファブロガーは優秀な書き手でもある。アルファブロガーが本を出版するケースは多い。その場合、ほとんどは出版社が一冊の本として編集され、印刷、製本、取次を経由して書店に並ぶ。しかし、本を出せるブロガーは一握りだ。ほとんどのブロガーはAmazonのアフィリエイトやGoogleのAdsenseなどの収入に頼らざるを得ず、そのほとんどは小遣いにもならない金額だ。

それは負のスパイラルである。<おもしろいエントリーを書く→でもアフィリエイト収入は僅か→書くモチベーションが下がる→書きたくなくなる→おもしろいエントリーではなくアフィリエイトリンクをクリックしてくれるようなエントリーを書く→誰も読んでくれなくなる>。ブログがアフィリエイトという“広告”でエコシステムを築く以上、優秀な書き手を集め続けることは、一部を除いて非常に難しい。

そこで登場するのが電子書籍だ。例えばAmazonは独自のセルフパブリッシングプログラムを持ち、著作者は70%の収入を得ることができるという(参考:TechCrunch bit.ly/e7Snr4 )。印刷、製本、物理的な流通を必要としない電子書籍では、自費出版するコストはほぼゼロに等しい。おもしろいブログを書き続けた結果、たとえアフィリエイト収入が少なくても、セルフパブリッシングの仕組みを利用して電子書籍を出版し、一つの収入源とするということは可能だろう。そして、その内容はかつての情報商材のような◯◯㎏痩せるダイエットだの◯◯万円稼ぐFXだのといったテーマである必要はない。

しかしながら、電子書籍は必ずしも人の目に触れやすい書店に並ぶわけではないため、マーケティング活動が課題になりそうだ。では、どのように電子書籍の存在を知らしめればよいのだろうか。

検索エンジンの時代ではAISAS(参考:http://www.sophia-it.com/content/AISAS理論)と言われ、いずれにせよAIDMAと同じようにやはりAttention(注意喚起)が必ず最初に必要だった。しかし、それは過去の話となるかもしれない。ソーシャルメディアが普及する現在、共感(Share)こそが良い製品を伝播させる原動力ではないだろうか。つまり、TwitterにせよFacebookにせよ、個人が持つソーシャルメディアのストリームラインにおいて他者からShareされる共感や情報から新しいInterestは生まれる。AISASに倣えば、Life Stream → Interest → Action → Share → Life Stream → Interest… という正のスパイラルである。したがって、Share(共感)を誘引するような本当に良いものが売れる時代になるだろう。電子書籍も同様に、内容がおもしろくてShare(共感)を生むことが最も大事なことになるはずだ。

ただし、一定の共感を生むには日常的な関係性を読者と結んでおく必要がある。言い換えれば、常にソーシャルネットワークの優良な参加者として振る舞い、時には有益な情報を提供し、個人としての評判を築くことが大切だ。ブログのように情報を一方的に出すだけでは、密接な関係性は築けないから注意が必要である。そして、それは毎日の積み重ねから生まれる。

電子書籍の時代に優秀な書き手がオープンなWebやソーシャルネットワークに登場し、自らが読者と関係性を築くのは喜ばしいことだ。しかし、残念ながら優良なコンテンツは電子書籍というコンテナに閉じ込められたカタチで流通するため、フリー(無料)とはいかずに一定の対価を支払う必要があるかもしれない。それでも知らず知らずにアフィリエイトリンクに誘導されて欲しくもない商品を買わされて後悔するよりはましだと思う。マスメディアが広告タイアップ的なコンテンツを増やす傾向にある中、ブログがアフィリエイトから少し距離を置くようになれば、Webはもっとおもしろくなるのではないか、とちょっと期待している。