クラウドファンディングで“セルフAKB48”が誕生?

AKB48をご存知ですか? と聞く方が「何いってんの」って感じなぐらいメディアを席巻してますよね。AKB48で一時期“AKB商法”が批判されたこともありました(http://ja.wikipedia.org/wiki/AKB48)。個人的にはビジネスがうまいなぁと傍観者でしたが。熱心なファンがより多くお金を使うことは本当に批判されるべきことなのでしょうか。本当に批判したいのはそれで設けているメディアであり、関わる人々なんじゃないかと勝手に思ってます。「AKB48を商品にして儲けようなんて…」みたいな。

ところで米国「Kickstarter(キックスターター)」http://www.kickstarter.com/)というサイトをご存知でしょうか。自分がこのサイトを知ったのは仕事で関わっている『シェア 〈共有〉からビジネスを生みだす新戦略』を読んで、さらにイベント(http://www.lifehacker.jp/2010/12/101213sbj_report.html)で監修者の小林弘人さん(こばへんさん)がこのサイトを紹介しているのを見たときです。いわゆる“クラウドファンディング”というやつで、音楽やデザインや作家などクリエイターが個人からお金を募るプラットフォームとして機能しているそうです。

こんな記事が昨日ありました。

(参考:Is Crowdfunding Working? Here’s What We Know http://paidcontent.org/article/419-is-crowdfunding-working-heres-what-we-know/

クラウドファンディングって本当に機能してるのって話なんですが、機能してるんですね。概算で8,000万ドル(約66億円)が投じられているそうです。いちばん規模が大きいのが「kickstarter」で、1万2千ものプロジェクトが立ち上がり、40万人以上のサポーターに支えられ、3,500万ドル(約29億円)もの金額を集めたそうです。すでに「iPod nano腕時計」のような大成功事例も登場しています。(参考:共有時代の「お金」の巡り方13,500人の個人から94万ドルを集めた「iPod nano腕時計」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1768

といっても実はすべてのプロジェクトが成立しているわけではありません。その説明には「kickstarter」のうまい仕組み(アーキテクチャといってもいいのかもしれませんが)が機能しています。簡単に説明いたします。

kickstarterの2大ルール

(1)オール・オア・ナッシングのファンド(All-or-nothing funding)

プロジェクトを立ち上げたクリエイターは1日-90日という定められた期間内に自分で決めた金額に到達しなかった場合、1銭ももらえません。クラウドファンディングのイメージからすると「少しでも資金が募ることができればクリエイターさんにも有り難いね」って思っちゃいますが、実はそんな生ぬるいもんじゃありません。逆から言えば、だから資金を投じる側も面白いのです。ゴールの金額設定やデッドラインは一度立ち上げたら変えることはできませんが、ビデオコンテンツを増やしたり、最新の情報やプロセスをどんどん投稿することができます。クチコミがうまく伝わるように、ソーシャルメディアへの投稿やブログに貼れるウィジェットが用意されていることは言うまでもありません。「どうなるんだろう?」「あと3日じゃん!」というようにすでに資金を投じたファンが潜在的なファンを呼ぶように設計されています。よくできてますね。

(2)資金を投じてくれた人へのクリエイターからの見返りは必須!

それぞれのプロジェクトにはクリエイターが決めた金額に応じた報酬(Rewards)が設定されてます。けっこうその報酬の設定がクリエイターによって違ってておもしろくて、10ドル以上なら音楽CDを焼いてプレゼント、20ドル以上ならDVD付ける、50ドル以上ならライブ券付ける、1,000ドル以上ならあなたの結婚式に行って歌う、とか(笑)。どうやらそこがクリエイターの腕の見せどころのようで、絶妙な金額設定とそれに見合った報酬がプロジェクトを成功させる大事な要因みたいです。10ドルに投じた人が1,000人、20ドルが200人とか人数が可視化されているのもうまいですね。もちろん、総額はパワーゲージのように何パーセントコンプリートって可視化されてます。「kickstarter」のガイダンスによると、情報の可視化と透明性こそこのサイトのエッセンスだそうです。「アイデアを盗まれて困る人はうちのサイトに向いてない」って書いてあります。ソーシャルメディアにシェアされることが大前提なんですね。

で、ここまで読んでいただくと“AKB48”の話とちょっとつながってきませんか? 選抜総選挙、イベント参加券、プレミアム写真集…などなど。クラウドファンディングの話を見ていて、自分は「セルフAKB48じゃん!」と妙に納得がいったわけです。マスメディアでやると批判されるかもしれないので、じゃあクラウドファンディングでやりましょうよと。そんな未来がそこにはあるのかもしれません。

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