行動経済学から考えるグルーポンが儲かる本当の理由(※2011/02/16/20:38 更新)
グルーポンを代表とする割引クーポン共同購入サイトは良くも悪くも話題を振りまいてくれてますね。まさか米国のスーパーボウルの話が海を超えて伝わってくるとは思いませんでした(参考:スーパーボウルで「チベット」CM、中国から怒りの声 グルーポンhttp://www.cnn.co.jp/showbiz/30001734.html)。日本でもグルーポンおせち騒動は記憶に新しいところです。この騒動では割引クーポン共同購入サイト側が通常価格よりも定価を上げた上で割引価格を提示させる二重価格の問題、身の丈を超えたクーポン枚数を店舗側に強要する問題などが指摘されています。(参考:クーポンサイト、隆盛の陰にひそむ危うさ グルーポン「おせち騒動」は氷山の一角 http://s.nikkei.com/faN8TW)
それはさておき、「グルーポン問題」に関するニュース記事を読むと店舗は“大幅な割引による赤字を覚悟で広告と割りきって割引クーポンを提供した”と説明していたりします。割引クーポンを提供した結果的が「結局、一見さんばかりがやってくる」「リピーターにならない」では、目的の広告効果も意味がないと考える店舗も増えそうです。きっと店舗が割引クーポンの提供をやめるようになるかもしれない、そんな予想をする人もいるかもしれません。
しかし、米国ではわずか15か月で150億ドルの企業価値を獲得し、史上最速の成長を遂げたと言います。その意味するところは、店舗はそれでも割引クーポン共同購入サイト=グルーポンを使い続けたということです。店舗にとっては「目先の売上は立つけど大幅な割引でぜんぜん儲からない」「新規顧客を獲得してもリピーターにならない」という割引クーポン共同購入サイトを店舗はなぜ使い続けるのでしょうか? 「目に見える効果が上がる」というだけでは説明がつかないような気がします。
ヒントがこの記事にありました。
(参考:The New York Times「Psyched to Buy, in Groups」 http://nyti.ms/hzt97f)
この記事の中で、次のような指摘があります。
The biggest gotcha is that expiration date. Oh, it’s plenty generous — usually six months to a year. But you know how people are with coupons; we forget them. We lose them. Once again, Groupon has built psychology into its business model. Every time someone forgets to use the coupon, that’s free money for Groupon and the merchant.
いちばん「わかったぞ」と思ったのは“クーポンの利用期限”についてだ。期限はだいたい6か月から1年とかなりゆるやか。でも、みんながそのクーポンをどうしているか知ってるかい、存在を忘れちゃうんだ。無くしちゃうってわけだ。もう一度言おう、グルーポンはビジネスモデルの中に心理学を取り入れている。誰かがクーポンを使うことを忘れるたびに、グルーポンと店舗は(※)何もせずにお金を稼いでいるってわけだ。
(※日本においてはグルーポンは「クーポンが使われない限り店舗にお金を入金しない」というお話をTwitterを通じて教えていただきました。ただし、正確な情報かどうかを確かめる能力が残念ながら私にはございません。申し訳ございません。。。)
「購入したクーポンの存在を忘れるなんて、そんなわけないだろ」って思われるかもしれません。しかし、割引クーポン購入者の中には“ある商品やサービスを大幅な割引で購入できた”という行為そのもので満足してしまう人がいるということなのではないでしょうか。皆さんもバーゲンで「安い! 買った!」というモノに限って、買った後に急に熱が冷めて、結局、一回も使わないという経験はないですか? 私はあります(笑)。ヤフオクで競り落した品物に対する熱の冷め方にも似ているかもしれません。
ここでいちばんのポイントとなるのはクーポンというカタチをともなわない商品だからこそ、購入者ががクーポンを使い忘れるとサイト側はも店舗も(※)大きな利益を得ることができるという点です。
(※上記と同じ理由で修正をいたしました)
あえて利用期限がゆるいのも、締め切りがだいぶ先だと仕事を先延ばしにするという、人間に一般的に見られる性癖を応用しているといえます。『予想どおりに不合理』などの著者で行動経済学研究の第一人者であるダン・アリエリーが解説している通りですね。逆に利用期限が短いと、むきになってクーポンを使わなきゃという力が働くとも言われているぐらいです。
こうやって考えていくと、グルーポンは行動経済学の観点から見ても完成度の高いビジネスモデルと言えるかもしれません。
「じゃあ、お前はグルーポンを使わないんだな」って言われれば、そりゃ使いますよ(笑)。ディスカウントのショッピングは商品(コンテンツ)よりも行為(コンテクスト)が楽しいのですから。あ、クーポンを使わないで先延ばしするようなことにならないように、もちろん気をつけます。
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※2011/02/16/20:38 更新
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