90999 - SMS募金の功罪
知り合いが「ボランティアに行きたい」と言うのを聞いて、大学生のころにボランティア活動をしていたことを思い出しながら、そのことについて考えていました。いろいろ考えた結果、私のような就業者は経済活動を止めてまでボランティアに行くべきではないと思いました。被災者の皆様のため、何かの助けになりたい気持ちは募金という行動で示したいと思います。
さて、「90999」という番号をご存知でしょうか? 米国では、この数字が日本で起きた地震&津波による震災被害に対して募金するキーワードのようです。

[参考:Time NewsFeed 「Text Message Donations: Aiding or Stifling Relief Efforts in Japan?」]
米国赤十字社(The American Red Cross)が行っている募金活動の一つに、携帯電話やスマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)を利用した募金があります。
(1)SMSの宛先を「90999」にして、「REDCROSS」というメッセージを送る
(2)「米国赤十字社に10ドル寄付することを確認するために“Yes”というメッセージを送ってください」というメールが届く
(3)「Yes」と返信すると、携帯電話会社の請求書に10ドルが加算され、米国赤十字社に10ドルが寄付される
というSMSを通じた募金です。これは米国では非常に効果のある募金活動のようで、2010年1月のハイチ地震の際には米国赤十字社が集めた募金総額4億7900万ドル(約383億円)のうちの3200万ドル(約25億円)を占めたそうです。
慈善団体に関する情報提供を行っているAmerican Philanthropy InstituteのpresidentであるDaniel Borochoff氏は記事の中で「人はすぐに貢献できるという感覚を好みます。SMS募金のいいところは若者が寄付に興味を持つところです。携帯電話は若者の身近にあるものですから。」と述べています。
しかし、簡単に募金できるからといっていいことばかりではないようです。SMS募金は10ドル以外に金額を選ぶことができません。米国赤十字社と並ぶ慈善団体である救世軍(the Salvation Army)のオンライン募金の平均額は150ドル-170ドルだそうです。救世軍のスポークスマンであるMajor George Hood氏は「SMS募金という選択肢があると人々はそちらを好む」といいます。SMS募金は簡単に募金できるので募金する人が増える可能性が高い一方で、一人あたりの金額が一定なので募金総額が少なくなるかもしれない諸刃の剣ともいえます。
ちなみに今回の東北関東大震災へのSMS募金額は160万ドル(約1億2800万円)だそうで、この額はハイチ地震の際にわずか2日で500万ドル(約4億円)を集めたのと比べるとやや動きが鈍いそうです。このことについて前述のDaniel Borochoff氏は「日本は裕福な国であり、米国人が日本人ならば自分たちで何とかできるだろうと考えるところもあり、募金先としては魅力的ではないのだろう」とコメントしています。
今回の東北関東大震災では、私もTwitterのタイムラインで流れてきたTSUTAYAのポイントを簡単に募金することができる「Tポイント募金」に飛びつき、いつの間にか貯まっていた997ポイント(997円分)を募金したことで、少し満足をしていたところがあります。しかし、今回の大地震や津波で被災された方々への募金額としてたった1000円じゃ全然足りないと後から思い直しました。募金額については、これから奥さんと話し合おうと思います。簡単に募金できることが必ずしも募金総額を増やすことにつながらないのかもしれない、というのは言い過ぎでしょうか。募金額について、もう一度考えてみることが大切だと思います。
このたびの東北関東大地震により被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。自分にできることは働き、募金をすることです。一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
